2010年03月30日

幼き日の憧憬

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子供の頃からトンネルの中を走る景色を見るのが好きでした。最近のトンネル照明は目の明暗順応をスムーズにする目的で出入口の付近は明るく自然光に近づけるために水銀灯とナトリウム灯とのミックス照明を用いる配慮がされていますが、昔はナトリウム灯によるオレンジ一色の照明を使ったトンネルが多かったのでトンネルに入った瞬間に外界から遮断され、全てがオレンジに染まる車内空間の非日常性に惹かれたのだと思います。子供の目には完全な異空間でした。

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上の写真の撮影意図はトンネル出口に差し掛かる瞬間にその輪郭がブレラのフロントガラスの中に収まる構図を狙ったものでしたが、撮影後にとても懐かしい感覚が甦りました。出来上がった写真は子供の目線の高さから見た車内空間とほぼ同じであることに気がつき、自分が幼かった頃に見た情景の記憶を呼び起こされたのです。

生まれつきのクルマバカである私は小さい頃から父親が運転する姿を後部座席から助手席の背もたれにかじりつきながら羨望の眼差しでいつも見つめていました。日々こんな感じでしたから、これに加えて大好きなトンネルの中を走ろうものならアドレナリン出まくりでした(笑)

大人になった今でもやはりトンネルの中を走るのが好きです(^^)


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2010年03月27日

再認識

普段は背景を入れた引きの構図で撮影していますが、今回は久しぶりにディテール撮影を行いました。

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ブレラにおけるデザインのハイライトは、やはりこのヘッドライトのデザイン処理だろうと思います。アウターレンズを排して敢えてフラッシュサーフェス処理を施さず、刳り貫いたように彫が深く立体的に仕上げたものは他に類をみません。一番外側にあるロービームに猛禽類の鋭い眼をイメージしたデザイン処理を施す事により、フロントマスク全体に生命感を与え、スポーツモデルらしい精悍な表情に見せる役割を果たしています。

ツリ眼のデザインはここ数年続いているデザインのトレンドですが、ややもするとマンガのような表情になってしまい、子供っぽいヘッドライトデザインが多い最近のクルマの中にあって、ブレラのヘッドライトはそれに陥ることなくシンプルでありながら絶妙なバランスによって車格に見合うように計算されている傑出したデザインであると思います。どの角度から見ても美しく見えるヘッドライトはそう多くありません。

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この角度から見るフロントマスクが好きです。盾グリルをピークに後ろに向かって伸びやかに大きく絞り込まれた造形は静止状態でも走りを予感させる躍動感があります。過去の日記でも何度も書いてきましたが、ブレラのフロントマスクは見る角度によって大きく表情が変わり、温和な佇まいを見せる穏やかな表情を見せる角度もあります。これまで様々な角度で撮影してきましたが、ブレラの全ての表情を撮りきることはまだ先のようです。

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このエンブレムを見るだけで何故か走りたくなる気持ちを抑えられなくなったり、遠いイタリアの地に思いを馳せたりします(笑)ミラノ市とヴィスコンティ家という由緒ある二つの紋章を合わせ持った不思議な魔力がこのエンブレムには込められているのかもしれません。

ここ最近大型化が著しい各メーカーのCIエンブレムの中にあってアルファのエンブレムは比較的小さい部類に入りますが、「小粒でピリリと辛い」山椒のような強い個性を持っています。日本にもイタリアに引けを取らないほど古くから家紋という紋章文化があるにもかかわらず、クルマのエンブレムにそれを感じさせるデザインがないのは、外圧によってそれまでの文化や価値観をひっくり返された過去の歴史が少なからず影響しているのかもしれません。

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最後にオシリのカットを。
フロントマスクに負けず劣らず魅力的で妖艶な色気を放つオシリのデザインもどこで切り取るかで表情が変わります。革新的に見えるフロントマスクよりもリアのデザインは近年のアルファらしさを感じさせる部分が随所に見られます。ドッシリとした重厚感のあるデザインはGTカーに求められるデザイン要素であり、ブレラもその文法に対して忠実に造られています。


今回は久しぶりに背景を入れずに部分的に切り取る構図で撮影する事でブレラと真正面から向き合うことになり、あらためてブレラの持つデザインの魅力を再認識する事になりました。デビューから今年で5年が経つにもかかわらず今も新鮮な気持ちで接する事のできるクルマと共に生活できる事はとても幸せなのだと感じました。これからも大切に乗っていきたいと思います。

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2010年03月09日

100年の祝福(その2)

前回からの続きです。

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2008年にベルトーネは破産宣告を受け、存亡の危機に直面したのですが、紆余曲折を経て最終的にフィアットグループが経営危機の元凶となった車体製造部門を買収する事で三大カロッツェリアのうちの一つが消滅してしまうという最悪の事態は避けられました。

今回のジュネーブショーでは倒産以来初めての出品となり、アルファの創立100周年を祝うためのコンセプトモデルが「パンディオン」です。もちろん、新生ベルトーネとして復活を果たした事をアピールする重要なモデルでもあります。

車名のPandionとは、鷹の仲間であるミサゴのことです。

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パンディオンはデュエットッタンタと比較すると「ザ・コンセプトカー」と言えるほど現実的な部分を排した純粋なデザインコンセプトモデルですが、唯一現実味を感じるのがフロントマスクです。パンディオンは次期ブレラの提案モデルとされているだけに、切れ長のアウトラインの中に丸いベゼルを配するなど、現行ブレラのテイストを意図的に残している事がわかります。

この顔つき、どこかで見たなぁと思いましたが、「スターウォーズ・クローンウォーズ」に出てくる共和国軍のクローントルーパーが被っているヘルメットのデザインに似ているのです。ボディカラーが白だけに余計にそう見えます(笑)

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リア回りはこれまで見た事のないデザイン処理が施されていて、とても複雑な形状をしています。これはパンディオンのデザインコンセプトを端的に表現している部分です。

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サイドのデザインはフロントからリアまで途切れる事のない流れに沿った流麗なデザインが施されていますが、圧巻なのはドアの開き方で、なんとサイドパネルのほとんどが垂直に立ち上がるというド派手な構造になっています。ここまでくるともはや「ドア」と言っていいものかどうか迷いますが、インパクトは絶大です。長年コンセプトモデルを手掛けているだけあって「ショーの華」としての演出はさすがですね。

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ちなみにこのドアが開いている状態を正面から見たものがパンディオンのロゴマークのデザインにも盛り込まれていて、ドアの構造もミサゴが獲物である魚を捕獲し、水面から離脱する際に翼を上に持ち上げる時の姿勢からヒントを得たものだろうと思います。

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パンディオンの開発に際して、ベルトーネのデザインチームは自然界に存在する様々なものからヒントを得て内外のデザインに反映したようですね。実際の現場ではこのようにコンセプトを示したものを大伸ばしにして壁やボードに貼り、チーム内で意識の共有をしています。

量産デザインの場合はここまでダイレクトに実際のデザインに反映する事はあまりありませんが、コンセプトを導き出す時はモノ、色、文化、生物、自然など実に様々なものから着想する事が多いところは同じです。

パンディオンに搭載されるエンジンは8Cと同じ4.7LのV8エンジンを想定しているようです。コンセプト版ブレラもV8を搭載していましたが、量産型ブレラでも開発初期にV8エンジンの搭載をジウジアーロ氏が考慮していた経緯(「そんな大きいエンジンは積みません」とアルファの設計者に一蹴されたらしい)があるだけに、やはり「ブレラはV8」という想いはベルトーネにもあるのかもしれません。


さて、今回のジュネーブショーではアルファ100周年のお祝いとして

・次期スパイダー→ピニンファリーナ
・次期ブレラ→ベルトーネ
・次期159→イタルデザイン

という三大カロッツェリアが揃って次期型のコンセプトモデルを出品するという噂があったのですが、フタを開けてみるとイタルデザインはマレーシアのプロトン向けのコンセプトカーを出品しただけで、アルファへのお祝い出品はありませんでした。

実はこれら3つの関係はそのまま次期モデルのデザイン担当となっている噂があり、実現すると三大カロッツェリアがそれぞれ別々にデザインを行うというとても贅沢なモデル群になります。

今回のジュネーブショーで次期スパイダーとブレラに関してはピニンファリーナとベルトーネが担当するのは半分裏付けが取れた感がありますが、次期159については謎のベールに包まれています。これは想像ですが、次期159に大幅なデザイン変更があり、変更前のデザインを示唆しているコンセプトモデルは改修が間に合わず、急遽出品を控えた可能性もなきにしもあらずですね。クライスラーグループとの提携と関連しているのかもしれません。若しくはイタルデザイン側に何かあったのかもしれません。

159の件は気になるものの、次期モデルがどうなるか今から楽しみですね。


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2010年03月07日

100年の祝福(その1)

今年、2010年はアルファの創立100周年という大きな節目の年です。その記念としてアルファと縁の深いカロッツェリアであるピニンファリーナとベルトーネが揃ってジュネーブショーにコンセプトカーを出品しました。

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まずはピニンファリーナの作品から・・。
実はピニンファリーナも今年で創立80周年という記念すべき年で、自社の創立記念とアルファへのお祝いという二つの思いが込められているのが「2uettottanta」(デュエットッタンタ)です。粋ですねぇ。

ちなみに「2uettottanta」とは、duettoの“o”とイタリア語で80を意味するottantaの“o”を重複させて合成した造語です。

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「デュエット」という名前からもこの作品は1966年にピニンファリーナがデザインを担当してデビューしたスパイダーデュエットをモチーフにして作られた事がわかります。ボディサイズもデュエットとほぼ同じになっていますから、写真で見ると大きく見えますが、実際は小柄なボディです。

個人的にもデュエットの美しさは別格で、歴代アルファの中でも屈指のデザインだと思っていて、縁があったらいつかは所有してみたいクルマの一つですね。

デュエットは「ボートテール」と呼ばれる小舟からヒントを得た優美なリアデザインに特徴がありましたが、皮肉な事にデビュー当時は70年代に向けた直線的な未来派デザインが最新トレンドだったため、丸みを帯びたデュエットは「古臭い」などと酷評され、わずか2年でその特徴的なリアデザインは大幅なデザイン変更を受けました。それ故、このデュエットは現存する個体は少なく、貴重なモデルとなっています。不幸な歴史があったものの、このデュエットを祖にしたスパイダーモデルは90年代前半まで数回のデザイン変更を挟みつつも30年近く販売され続けた超長寿モデルでした。

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フロントのデザインはヘッドライトとリアコンビでデザインが反復されており、ヘッドライトの位置と相まって全体にかなり低重心なイメージになっています。サイドのウエストラインから繋がるフロントフェンダーの稜線は盾グリルに向かって収束しているので、大きなV字型を描くワイドで塊感のある造形になっています。

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リアのデザインは一転して極力薄く見えるようにデザインされており、これは歴代スパイダーに共通するオープン2シーターモデルとして軽快感を出すためにピニンファリーナが用いる伝統的なデザイン手法です。見た目だけではなく、リアバンパーの下側を切り上げる造形はフロアからの気流を綺麗に流すための空力的造形でもあります。2シーターである事を主張する大き目のバルジがリアエンドまで滑らかに繋がっていますね。

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サイドのデザインを見ると、このモデルがデュエットと同じFRレイアウトを前提としてデザインしている事がわかります。縦置きエンジンを示すロングノーズでリアタイヤの直前にシートを配置する典型的なFRオープン2シーターモデルのデザインです。ちなみにこのモデルに搭載したエンジンは159/ブレラに搭載されている1750TBiと同じ1750ccターボエンジン(200ps)ですが、この排気量もかつてのスパイダーシリーズとの共通点があって、敢えて採用したのだと思います。ボディを一周するベルトライン下の造形は大きなインバース面(凹面)になっていて、これもデュエットからのモチーフとなっています。

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インテリアはシンプルそのものです。スポーツカーのインパネはこうでなくては。ステアリングの下端が地味にフラット化されいますね。メーターバイザーもアルファ伝統の2コブデザインです。上から見るとドアノブはなく、プッシュボタンでドアを開閉する構造になっているのがわかります。やはりオープンカーに女性が乗っているのは様になりますねぇ。ドアミラーのデザインは現行ブレラ/スパイダーからの流れを感じます。


次期スパイダーの提案モデルとされるデュエットッタンタですが、現時点では完全なるコンセプトモデルですから、このままのデザインで量産になることはないと思いますが、モチーフとして量産型に引用される可能性はあるかもしれません。

次回の日記ではベルトーネのモデルについて触れたいと思います。


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2010年03月05日

雪解け、春近し

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3月に入っても、まだまだ札幌では雪が降る日もありますが、積もっても翌日にはすっかり解けてしまい、天気がよければ路面は完全なドライになる暖かい日も多くなってきました。雪解けシーズンの始まりです。

こういう時期なので天気がよくても路面上には大きな水溜りが点在しているため、洗車しても綺麗な状態は数時間と持ちません。洗車場から自宅までのほんの僅かな距離を走るだけで悲しくなるほど十分に汚れます(笑)このため、ここ2ヶ月ほどは敢えて洗車せずに泥だらけの状態でブレラを放置し続けたのですが、あまりの汚さにいい加減我慢できなくなり汚れるのを承知で洗車しました(←洗車バカ)

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洗車といってもボディに付着した融雪剤の塩分を洗い流すのが目的なので拭き取り作業は省略するつもりでしたが、久しぶりにピカピカの状態を眺めたくて結局全部拭き取ってしまいました(←やっぱり洗車バカ)綺麗になったブレラを見ると癒されますねぇ。ストレス解消になりました(^^)v

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でも、綺麗になったらなったで、無意識のうちに極力汚れないように走ることに神経を遣ってしまうので、本当にストレス解消になったかどうかは甚だ疑問だったりします(^^;)



話は変わりますが、近々ブレラを入院させる予定です。
ステアリングを切ると時々何かと何かが当たって「コン」と響いてくるような感触がステアリングリムを通して手のひらに伝わる事が増えてきたからです。

実は2年ほど前からこの症状は出ていたのですが、面倒な事にステアリングを切れば毎回必ず出る症状ではなく、出たり出なかったりと再現性に乏しい(←メカニックが確認しにくい)のと、コーナリング中の挙動には特に問題ないので敢えて放置していました。

感覚的にはステアリングのバックカバーとコラムカバーの接合部分に当たる所があるのかと思っているのですが、とりあえずはどちらも外してみて中の構造を見てみないと原因がハッキリと分かりませんので、メカニックに症状を確認してもらうために1週間ほど預ける事にしました。代車のスケジュールが確保でき次第、入院します。

大した症状ではありませんが、ステアリング操作で引っ掛かりを感じるのはかなり気になるものなので、原因究明できればいいなぁと思っております。


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